門廻x廣田

1日目 ― 門廻 ケイジ → 廣田 美弥子 以下交互


およよ?第一おねーさんはっけーん!!wwww
ねぇねぇそこのお姉さん俺に殺されてくれない???もしくは俺に大☆大☆だぁーいヒントをくれるか俺のブレインになってくれるとかぁ???wwww
とりあえず俺、とっととこのくそつまらないとこ早く出て絵描きたいんだよねぇwwww
ってなわけで、手貸してくれない?俺めんどいから貸さないけどwwwwwwww

(廣田さんは希望通り人と会うことになる。うん、人と会うことになる。
奇人とも変人とも限らず。人と会うことになる。
まさか血みどろドロドロな糸目のキチガイに会おうとはね!!!!運命って残酷だね!!!!←
そんな訳で第一村人的な感じで突如廣田さんは糸目に発見されてウザいナンパみたいなこと言われながら目の前でカバディカバディされます。この先は通させてくれないようです!!頑張れ廣田さん負けるな廣田さん!!)

「殺すなら好きにすると良い。
……が。減点だ。それをわざわざ私に言っては台無しじゃあないか。凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ。だ。覚えておいて損は無い。」

期待の斜め下へと急降下し不時着ような相手を前に、思う事は、わざわざ殺されてくれないか頼むなんて、実に律儀なものじゃないか、という更にてんで的外れな感想であった。
別段、これをどうこうしてやろうという考えが湧いた訳では無い。
だが、始まって初頭の混乱期。
いわば互いの情報が皆無の際に味方を募ろうとするだけの頭の回転はあるようであるし、あながち根っからの馬鹿野郎ではないのかもしれない、と逆張りの考察をしてみれば、手を貸せ、というのもあながち悪くない気もした。
確率としては低くもないが、もし本当に頭がトンでいるなら、それこそ自分で手を下せば良い話だ。
相手の人間性による贔屓をなるだけ捨てねばならない、教師としての訓練は実を結ぶようで、評価に損得が入り混じっている以外は、素行より動き方を大事にしていた。そこだけなら、実に教師の鑑であったものを。
ほどなくして、頭蓋の中の演算機は、答えを出した。反れば死ぬかもしれないが、乗る分には随分気楽なものである、という結論を。

「ブレイン、というなら、或いは役に立つかもな。
……これでも教師だ。謎なら一番作ってきたさ。」

懐から、ラッキーストライクの箱を取り出して一本抜くと口にくわえ、火をつける。
これといって代わり映えはしないが、タバコの芳香に肺が痺れるこの時間だけは、自分の時間であれた。話し合いのテーブルに、頭のキレは最重要。頭を整理するのには、やはりこれに尽きる。

「殺すなら好きにすると良い。
……が。減点だ。それをわざわざ私に言っては台無しじゃあないか。凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ。だ。覚えておいて損は無い。」

期待の斜め下へと急降下し不時着ような相手を前に、思う事は、わざわざ殺されてくれないか頼むなんて、実に律儀なものじゃないか、という更にてんで的外れな感想であった。
別段、これをどうこうしてやろうという考えが湧いた訳では無い。
だが、始まって初頭の混乱期。
いわば互いの情報が皆無の際に味方を募ろうとするだけの頭の回転はあるようであるし、あながち根っからの馬鹿野郎ではないのかもしれない、と逆張りの考察をしてみれば、手を貸せ、というのもあながち悪くない気もした。
確率としては低くもないが、もし本当に頭がトンでいるなら、それこそ自分で手を下せば良い話だ。
相手の人間性による贔屓をなるだけ捨てねばならない、教師としての訓練は実を結ぶようで、評価に損得が入り混じっている以外は、素行より動き方を大事にしていた。そこだけなら、実に教師の鑑であったものを。
ほどなくして、頭蓋の中の演算機は、答えを出した。反れば死ぬかもしれないが、乗る分には随分気楽なものである、という結論を。

「ブレイン、というなら、或いは役に立つかもな。
……これでも教師だ。謎なら一番作ってきたさ。」

懐から、ラッキーストライクの箱を取り出して一本抜くと口にくわえ、火をつける。
これといって代わり映えはしないが、タバコの芳香に肺が痺れるこの時間だけは、自分の時間であれた。話し合いのテーブルに、頭のキレは最重要。頭を整理するのには、やはりこれに尽きる。

──およ。
なぁーんかお姉さんつまらないねぇ?ぶー…
他の女の子やBBAだったら『きゃぁーん❤』みたいな悲鳴上げて逃げちゃうんだよ??俺正直それ楽しみにしてるんだよ??分かるこの感覚???お決まりって奴なのよ分かる???ってかおねーさんKY??友達居る??彼氏居る???もしかしてLINEやってるぅ↑???
俺さー、正直おねーさんにテイク2をやり直す権利を与えてあげたいとこだけどさー??俺めんどいからテイク2撮らないけどさー??俺超神級に優しいイケメン天才児だから許してあげるけどさー???今度からはちゃんとそこんとこ乗ってよねー。絶対厳守だからねー?次はないよー??ぶー。

(廣田の様子にきょっとーんとすれば口を尖らせブーブー言い出す糸目。
廣田はきっと今流行りのクールビューティとか言う奴なのだろうが、ケイジには正直KY野郎としてしか映らない。)

およっ!!おねーさん教師やってるの!?奇遇だねぇ~wwww俺教師大っ嫌い!!←
っつーか学校嫌い!!大嫌い!!!宇宙空間に生きる全ての校長の毛根死滅しろ!!!!(超大真面目
まぁおねーさんがブレインになってくれるんなら、俺ってば超絶優しいから採用してあげちゃうけどねぇ?wwww
──おぎょぶへぇッ!?!?!?

(カバディをやめれば今度はその場で腕を広げブーーーーーーーーーーーーンと勢いよく回り出す糸目。半径85cmはこの手の届く距離的な既視感がある。下手すると大嫌いな教師のおねーさんに腕がダブルラリアット。
まあそんなことなくぶつかりそうになるその直前に無様に盛大にその場でずっこけるのだがこの糸目は。
ちなみにこの際ケイジのポケットからは所持物全てが辺りにぶちまけられる。その中でも小さいスケッチブックからは再現度の高いイラストがちらりと見え、またぶちまけられた道具の中にドライバーやペンチなど、機械を弄る際に必要とされる簡単な道具も見つかるだろう)

「きゃーこわーいたすけてー…
で、良いのか?別にこの位ならいくらでもしてやるが。
それと、LINEならやってるから……ああ、やっぱり携帯は抜かれているか。」

気を悪くするでも、勿論上機嫌になるわけでもなく。
こういうものが流行りなのか?と、軽蔑の念だけがただただあった。流行とは確かに、文化における下水の氾濫であり、その名が示すとおり流れて行くものであるから、そもそもその質は問われない。文化的な価値はともかく、中身は後からすれば失笑するようなものばかりだ。だから、わざわざ浸かりに行こうとは思わない。
観測することを良しとする。
そして、LINE…なら、やっている。一応質問されたし、手を組むなら、通信端末は必要だ、とポケットに手を突っ込んだあたりで、気付いた。この女は平生から、大体の貴重品はポケットに閉まっている、というか入れっぱなし着の身着のまま寝てしまっているので、紛失は基本的に無いのだが、
携帯が抜かれている。
恐らく、故意に。
ゆらゆらと緩慢に動くこの足元から、船であるのを察するに無理はなく、この場所は、言うほどの遠洋ではない、と考察した。
携帯がこの中から使えないのであればわざわざ取る意味は無いし、
今や電波の届かない場所なんてあるのかは知らないが、少なくとも辺りに何もない、まさに遭難の映画のごとき場所ならば、基地局も何もあるまい。つまり、少なくとも陸はそう遠くない。というのが今回得た情報であった。

「それは気が合うな。私も大嫌いだ。大体、わざわざ他人に物を教えてやろうなんて思い上がりの甚だしい生き物がまあ、まともな倫理観な訳も無い、というのを勝手に失念されている。

君は、イラストレーター…辺りか?当たり障りなく言ったら、芸術家、というので語弊は無いと思うが。」

教師を内心で馬鹿にしていないものは、立派な大人になれない、とは、"不道徳教育講座"で彼の三島由紀夫の語ったものであるが、
教師が教師を嫌うとは如何にも頓珍漢であろう。だが、これは自分を外に置いて棚上げしての非難であるかと言われたらそういう訳でもなく、この女には教師を嫌う止むにやまれぬ理由が確かにあったのをここで付け加えておく。元々、女は歴史家になりたかった。学者でも良い。評論家でも、教授でも良い。少なくとも、それのみを追求する職を求めていた。高校三年生当時にはそれに足るだけの学力はあったし、家族の反対も特になかった。
けれど、妹の大病が、"安定した職"という、地獄の門にも等しい矯正の入口に女を引きずり込み、また、ある男のように女は考える暇すらなかった。やりがいとか誇りではなく、夢を奪われたという幻視だけが教師の二文字には見える
のも、無理からぬことであろう。
さて、閑話休題。
そんな寂しい苛立ちと自虐的な回顧を待たず、目の前の青年は、投げ方を間違えたべーゴマのように、ギュルギュルと危なっかしく回りだし、勝手に転倒した。
馬鹿なのかこいつは、と頭ごなしに罵倒してやりたくもあったが、
そこに存在するものを絹で濾して浮かび上がらせたような再密な絵と、歴戦の武具のように使い込まれた画具の群れが、何より合点がいく説明をしてくれた。
なるほどこれは画家か何かか。
ならば、頭が少しばかりおかしいのも妥当である。

うん、俺おねーさん嫌いだわ☆
──およよ??抜かれちゃってる??
おーよよよよよよよ、本当だ俺も無いねぇ。
ま、携帯無い分ゲームやSNSで一日の貴重な時間を棒に振って一日終わってる何処かの哀れなガキやいい歳した大人(笑)共に比べたら、俺達は自分の命の為にじーっくり時間をかけれるから、寧ろありがたいのかも知れないけどねぇ?wwwwww
あー、#コ●パスしてぇ。

(廣田を見て自分も携帯が無い事に気がつくケイジ。無いからといって特にはなんとも思ってなさそうな様子である。
ちなみに彼が呟いた言葉は特定の個人に対して向けられた言葉ではありません。もう一度繰り返します、彼が呟いた言葉は特定の個人に対して向けられた言葉ではありません。本当です。だって私も書いててめっちゃ言葉がグサグサ刺さって痛いもんbyなっきりーん)

あ、やっぱ訂正
俺おねーさんと気が合うわ☆教師ってクソ☆

そーう!!!!俺はなんてったってあの超天才級売れっ子フリーイラストレーターのケイジ君だからねぇwwwwww
絵も描けるし更に機械も弄れる!!!!世界的超天才フリーエンジニアとしてだってあっちこっち引っ張りだこでモー大変大変!!!!
もしかしたら俺、何処かの世界線ではレオナルド・ダ・ヴィンチだったのかも知れないねぇ??wwwwww
あ、ガム食べる?

(自分に酔いしれるようにバッと手を広げれば自画自賛の大嵐(※なお全て自称である)。かの万能の天才の名を語れば既に細い糸目を更に細めてニィと笑い…足元に散らばった板ガムを唐突に拾えば差し出す←)

「そうか、いいから落ち着け。

……一応、これは貰っておく。毒入りでなければ良いんだがな。
こんな場所では、何があるか分からない。」

"運命"でも流してやるのが良かろうかと女は思った。
教師の癖に、何分人の褒め方、煽て方は皆目検討がつかない性分であり、何やら適当な美辞麗句を投げかけてやれば良いところなのだろうが、何も言葉は浮かばず、ただ、中々前衛的な自己紹介の間、タバコの煙をのんびりと吸い、陽炎のようにふわりと吐き出して丸を作って遊んでいた。
要するに、八割がた聞いていないと言っても過言ではない。
だから、なんでガムを渡されたのか理解に及ばないし、それ故に、断る理由も特にはないので、口ぶりとは裏腹に、すんなりと受け取る事にした。序に、毒入り、という言葉に妙案を覚えながら。

「なるほど、ケイジ、というのか君は。なら、私のことはおねーさん、ではなくミヤコ。と呼べ。
その呼び方で呼ばれるのは、正直あまり好きじゃない。」

丁度、妹を思い出すから、とは言わなかったが、ぴしゃりと、鋭い鈍器を叩き下ろすように冷たく言い放ち、数秒置いて、やり過ぎたか、と苦笑しながら、タバコをつまみつつ、ヤニの匂いのする胡乱げな外気を吸い込んで、仄かな柔らかさを言葉に塗りこみながら、再び口を開く。

「…なあ、つかぬ事を聞くがケイジ、君は殺して脱出するのと、謎を解くのではどちらが良い。
戦術を練れと言われたらやるが、戦略が定まらなければ私だって動けない。私は、君の"脳"になってやる、と言ってしまったし、君はそれを望んだんだから。」

ミヤコ?なぁーんか本人みたいにつまらない名前だねぇ?
まあいいや、超絶地味で貧相な名前だけど俺のブレインとして特別にそう呼んであげるよぉwwwwww仕方ないなぁwwww

およよ?どうしてそんなことを聞くのさ?
確かに俺、殺されたい人ー!!っては言ったよ?呼んだよ?いや居るなら喜んで殺すよ??もっと言うなら解剖してビクビク動くその“中身”を血管の隅々までスケッチしたいよ???
だぁーってこんな何も気にせず人を殺せるなんて大チャンス、滅多に無いからねぇ?wwww
──けどさ?『殺人履歴』が刻まれるなんて、何かあると思わない?
本当に何も気にせず殺せるなら俺も今此処でミヤコを殺してたよぉ?けどさ?なんで殺人したって確認とかじゃなくて、『殺人“履歴”』が刻まれるんだろう?
履歴ってフツーは他の誰かが後から見て何か判断するために記録されるものじゃん?って事はだよ?
もし人を最後まで殺しまくって脱出できたとしても腕輪に刻まれた『殺人履歴』を誰かが見てそいつの判断で『おしおきだべぇ~☆』ってなるかも知れないじゃん?死ぬじゃん?それ今までケチャップ製造してきた意味ないじゃぁーん!!!!wwww

それにさぁ?そもそも殺すってのはなんか俺らを此処に閉じ込めた奴が“頭の悪い奴らのために”用意した手段なんだよ??
──俺みたいな大天才が、わざわざブレインを引き連れて負け犬の手段に甘んじるなんて真似、すると思う?

折角誰かさんが用意してくれた駆引《ゲーム》、楽しまなきゃ損じゃん??ww

(サササッと自分の持ち物を拾い集めポケットに戻しながら語り、全て拾い終えれば立ち上がりミヤコに向けニィと奇しく笑う。
先程まで奇行が目立ち一体何を考えているかは分からなかったが、やはり天才と自称するだけあってしっかりとした考えはあるのかもしれない。
──自惚れなのは変わらないようだが。)


「はは、素晴らしい天才ぶりだな君は。……なら、行ってみようか。何でわざわざ、こうも大仰に図書室なんて用意してくれたのか、その訳を探偵したく思っていた所なんだよ。」

ふぅ、とまた煙を吸い込み、吐き出す頃にはタバコは燃え尽きて、
儚くも残っていた紅の焔は、放り捨てられると共に、自らを燃やすために火口に消える不死鳥となり、その総身を焼き焦がしながら消えた。知識は、努力とは違い人を裏切らない。それを身に染みて自覚していたからこそ、女は知恵を求めた。未来は揺れ動いてつれなくても、歴史だけは立ち止まって、いくらでも話を聞いてくれた。それに惹かれてこの道に来たのだから、当然、知識の埋蔵された金山である本に、それが大量に据えられた図書室に。興味を抱かないわけもなかった。
それが恐らくは、謎の起点となり得そうだと推理してからは、その欲求はいよいよ膨らみ、人に会ったら、一等優先すべき戦略目標に変わっていたのは想像に難くないことであり、心做しか、先程までの物言いより、言葉に張りと艶が出たようにも思える。 気分はシャーロック・ホームズか明智小五郎か。という所だろうか。

「酒場やカフェ、レストランはともかく、いくらなんでもここは見え見えに異質じゃあないか。序に……色々物色もしていける事だしな。どうだね、ケイジ。
―――――乗るかい?」

ンーーーーーー乗った☆
俺も正直客船に図書室は不自然過ぎるし、何かしらあると思うんだよねぇwwww
それに、大体の脱出系や謎解き系のゲームじゃ図書室や本棚に何かしらあるもんじゃなぁい?
文献にヒントがあったり?本がスイッチになってたり?本棚の後ろに何かが隠されていたり?探索させるのがだぁーいすきなゲームクリエイター諸君は大体本のある場所に謎を隠すもんだよ。お決まりのパティーンって奴ゥ??wwww
よおーっし!!!!そうと決まれば早速図書室に向かうぞ女ワトソン君ッ☆

(身体を捻り一回転すれば『それだ!』といった風にミヤコに両人差し指をビッと向ける。
脱出ゲームあるあるで物事を考え判断するのはあまりにも安直過ぎるかもしれない。けれども、もしこの脱出劇の主催者がゲーム好きだったとしたら…否、こんな露骨にゲームのような派手な演出をしてみせるのだ、恐らくそうに違いない。
ニカッと笑って見せればぐいっと強引にミヤコの手を取りダッシュでエレベーターへ直行するだろう。どうやら糸目にとっては自分の方がシャーロック・ホームズらしい。)

それにしてもさぁ?二文字まで入力出来るってことは、答えは『●の間』か『●●の間』ってなるんだろうけど、一体何の間何だろうねぇ??ってかこれって『あいだ』??それとも『ま』???
んー、どう思う俺のブレイン君??

(移動しながら自分の腕輪の入力画面を一瞥し、首をこてんと傾げながらミヤコにに疑問を投げかけてみる)

「やれやれ、なら、随分と良い助手を捕まえたもんだね君は。

それと、英国紳士(ジョンブル)はもう少しエスコートが上手いと思うぞ。」

仄かに暖かい引力が、女の手を引いた。少しばかりせっかちで、乱暴な気もするが、別に悪い思いをするほど良い生活をしてきた訳では無いので、涼しい顔で微笑すら浮かべている。
確かに、顧問探偵よりは助手の方が立ち位置としては近い。
なるほどこれは一本取られたようである。この女の、伽藍堂に等しい柔弱な危機意識とも相まって、下らないことを楽しむ余裕があったのは、少なくともこの破天荒なる相棒と組むにあたり、良き鎹の役目を果たしていた。

「…………"あいだ"か"はざま"だろうな。意味は変わらないからどちらでも良いだろうが。

"ま"は船の客室ではまあ使わない。旅館じゃあないんだぜここ。

客間、はなくもないが、複数あるから、"私"はどこにいるかという問いには反するからNON.そも、漢字で一文字、というだけだから、ひらがなならOUTだ。

広間、の可能性も考えたが、"大ホール"とわざわざ銘打つなら、同義語は大広間。少し、違和感がある。それに、そんな見え透いているやつなら、すぐにバレてしまうだろうよ。」

密室での遭遇に持ち込まれないため、即座にエレベーターを閉じ、朧気な電灯が示す1の文字を押す。今しばらくすれば着くだろうが、他の連中に使われるのは実に都合が良くないので、入口目の前に張っている。いざとなったら蹴りとばしてでもやるつもりであった。しかし、こんな攻撃的な、ある意味で動的な思考を持つ割には、案外考察は安全策を追求していた。屁理屈にも聞こえるし、実際その通りであるが、謎解きとはこういう観念論のお遊びだ。
思考停止するのは論外だが、考えとして提示する分には別に自分の首を絞めることはない。
抽象とは、毒にも薬にもならないから抽象と呼ばれるのだから。

そりゃあ俺は目が高いからねぇ!!ま、不本意だけど、君を認めることになっちゃう訳だ☆

ジョイフル??ギャンブル???よく知らないけど俺ドリンクバーも頼まなければ金も賭けないし、エスコートなんてそんな堅苦しいものは知らないよんwwww

(そう、この男にはレディへの礼儀もなければ倫理観も無い。それらは全て自身の自由を拘束するものとして尽く排除される。
因みに先程までの普通であれば無礼な言葉や相手を罵るような言葉も悪意を持ってついたわけではない、ただただ自分の言いたい放題に言わせてもらった結果があれなので、あれで怒られようが怒られまいが彼には関係ない。まあ勿論反応してもらえると楽しいが)

ほーうほう、つまりは何処かの決まった空間や部屋という可能性は低いかぁ。何かと何かの間、それは言葉のあやなのか、それとも“私”君は何処かの隙間にすっぽり挟まっちゃってるのか……アッチョンブリケッ☆
ただねぇ、これこれ。
さっき腕輪を弄ってたら気付いたんだけど、“私”君の放送の音声がわざわざもう一度聞けるようになってるんだよねぇ。
もしかしたら…答えは既に俺らが聞いていたりして??
…ま、今は船内を見て回っておいたほうが良さそうだけどねぇww

(アッチョンブリケ☆と自分の頬を…かとおもえば、ミヤコの頬を両手でぷにっとサンドしようとする糸目。何かとちょっかいをかけたくなる性分らしい。
軽く最初の“私”の煩い放送を流しながらうーん?と小首を傾けていたが、間もないうちに目的の階へと到着し、糸目はまた強引に手を引きミヤコと共に図書室へと向かう)

「分かった分かった。後で幾らでも構ってやるから……ひとまず、ここからは頭を使うぞ。」

むにゅう、と、ついたばかりの餅のように、間抜けに掌に潰された顔のまま、困ったように目を伏せて、ため息をひとつ。
おかしな奴だとは随分と前から思っていたが、これでは幼児相手と変わらないではないか。
女の専門は、勿論中学校教師であり、保育士ではないから、せいぜい当たり障りなく、無責任な約束をするしかこの処方を知らない。
別に怒るほどの事ではないが、内心困り果てているのは事実であり、時折零す細く長い吐息は、せっかちな相棒にしきりに手を引かれて動き回っているためだけではないだろう。

「恐らく…同じことを考える奴が居ない内に、片付けなくちゃあならないだろうからな。」

と、いうが早いか、引かれていた手を軽やかにすり抜け、本棚に取り付く。樹液を吸う昆虫のように、近眼気味の瞳を凝らして、細部まで観察しようと試みる。

ま、そうだね☆
さてさて、本本~っと!!こういう所ってマンガとか置いてないのかなぁ~??wwww

(真剣に探索しようとするミヤコとは対称的に、まるでたまたま暇だから寄った駅中の小さな本屋さんに立ち寄り本を探すように、面白そうなタイトルが無いかをサーッと軽く見ていき…そしてふと気づく)

…なぁーんかまるで子供部屋だね、この図書室。
客船だから大人が好みそうな堅苦しい本ばかりかと思ったら、絵本と作り話ばかりじゃあないか。

(それがケイジ的な観点からの感想だった。
客船は正直乗ったことは無いが、イメージとして普通思い浮かべるのは金持ちの社長やその息子、令嬢、他にもそこそこの有名人や金持ちがウフフオホホしているようなイメージがある。正直、子供は殆ど乗っていることは無いだろう。
であるのに、此処に置いてあるのは絵本やノンフィクションの小説ばかり。大人が好き好みそうなジャンルの本が無いような気がする。
──まあしかし、ケイジ君は特にそこに意味などは考えない。
探索しに来た目的など忘れてしまったかのように面白そうな本を見つければ次々にヒョイヒョイと手に取っていき、ケイジの手元には本のタワーが出来上がっていく。
…この時、とある本を取ったその奥の壁に何やら写真らしきものが張られているのが見えたのにケイジは気付かずスルーしてしまうのだが。)

「ほら、ケイジ。良く見てみろ。最初の手掛かりだ。」

鵜の目鷹の目と言わんばかりに注視しているこちらより先に、乱暴な探し方の相方の方が先に見つけるというのは何となく納得いかないのだが、見つかったのは重畳。
ぽん、と軽く肩を叩きながら、
三人皆笑顔で映った家族写真にも見えるそれを指差す。

「……どうやら親子みたいだが、どう思う?私には酷く、気味悪く見えるんだがね。」

肩に置かれた手が、少し震え出していた気がした。
この女は、こう言った構図の写真が一等嫌いである。
撮影しているのは、ならば誰なのか、という妄想をし出したら収まりがつかなくなるし、何より。
手を繋がれた子を見ると、妹と重ね合わせてしまうからだ。
妹が早くに生まれたこともあり、両親の興味関心が、姉である自分から、妹に向くまでにはそう時間はかからなかった。5歳の頃から、女は"姉"として自立することを求められたし、その分、妹は愛情を二人分注がれて育った。
奪われた、と、幼いながらに思うのは自然なことであり、"親子"から、隔離されたように思うのもまた、仕方ないことであった。
かと言って、妹への愛情がなかった訳でもないし、親への服従、という幼少期特有の実に脆弱な良心の、唯一の鎖帷子が、振るいそうになる拳を雁字搦めにし、押さえつけてきた。進路について反対がなかった、と言うのも、関心が払われなかったというだけの話であり、言われた事に何も言わず何もしない女に、"良い子"の烙印を刻みつけ、思考停止した結果である。ならば、こういう家族の幸せ、という本質的には何よりも気味の悪いエゴイズムを熟知するのが早いのは道理であり、嫌悪するのは尚更、自明の理であった。
いつも、真ん中の子供が自分であったことは無いいつも、"妹"だった。女はいつも、せいぜい画面の外の撮影者でしかなかったのだ。
それを思うたび、亀裂が走るように何かが痛むのだ。

……………、

(“酷く、気味悪く見える。”
笑顔で幸せそうな家族写真を指差しそう言うミヤコに、ケイジは震える彼女の手の平の温さを感じつつ、細い目を更に目を細めて観察するようにジィと写真を見つめていた…

──不意に、ドカン!!!!と大きな音を立て、棚を破壊してしまうんじゃ無いかと思うほど力づくで自分の持っていた本の束を乱暴に棚に投げ込み仕舞ってしまう。
あらわになっていた家族写真の壁は、本の背に埋め立てられもう見えなくなってしまった…が、しかしそれがまだ見えているかのように。ケイジはポケットからスケッチブックと鉛筆を取り出せば自身の今見た家族写真の記憶を元にその情景を白紙の上に鮮明に描きあげていく。
みるみるうちにその特徴、人物の顔や姿をそっくりそのまま描きあげた鉛筆画が仕上がれば、ケイジはうっとりとして自身の作品を少し眺め…その端の空白に『Q1 客船1F 図書室にて K.S.』とだけ記しておき、ぱたりとスケッチブックを閉じた。
そしてミヤコの方を振り向きニヤリと笑えば…その綺麗な黒髪を思いっきりわしゃわしゃと乱雑に撫でくり回す)

──よくぞ見つけてくれた俺の優秀な助手君ッ!!!!まさかこぉーんな所に写真を意味ありげに隠していたなんて、この脱出劇を作り上げたゲームクリエイター君もなかなかやってくれるねぇ~wwww
ま、俺達天才だからこんなのちょちょいのチョイッ☆でカップラーメンよりも簡単に見つけ出しちゃうけどねぇ?wwwwww
しかし助手君よ、俺達は謎を解くならば、感性をもってして対峙してはいけない。謎を作るクソ教師の君なら解るだろぅ?数字に好意を持ったところで数式は解けるかい?漢字に怒り散らしたところでその読みは解るかい?元素記号に涙したところでその元素が他の元素と合わさって何の元素に生まれ変わるのかなんて、解るかい???解る訳が無いだろう!!!!
俺は正直、これだけ見てもなぁーんもわかんない☆けどこれは俺が無能だから分からないんじゃない、俺があまりにも天才過ぎるから他の手掛かりを欲しているんだ。
さぁ俺の優秀なブレイン君ッ!!!!次は俺達は何処へ向かうべきだと思う??

(腕輪のマップを開いて見せれば、ミヤコの顔をちらりと見てニィと笑って見せた)

「―――確かに、その通りだ。
いや何、つい、こうも見え透いてるなんて、センスが悪いと思っていた所なんだよ。君と珍しく考えが一致したな。」

黒い絹糸のような髪が解れ、ぐしゃぐしゃに掻き回された。
度々髪が引っかかって痛いし、
配慮も何もあったものじゃないが、それだけに、頭を冷やすには良く効いたものだった。
ああ、全く、最初からそうだったろうに。この男は、つまらない感傷なんてする暇をくれやしないのだ。呆れたように微笑し、ため息を緩く零す頃には、もう、震えは止まっていた。

「次は機関室といこう。何も無さそうなものほど、何かあるというものさ。ほら、連れていってくれるだろう?また、さ。」

具体的な問題解決と、観念論の解釈に、精神論は極めて邪魔になる。それは、かつて有り様は様々ながら、国家の興亡が無数に教えてきてくれた事だ。
思考を停止すれば、歩けなくなり、思い込めばそれだけモヤがかかる。それはどうしようもなく必然性を持った人間の性だが、その逆をつく事も、人を山ほど見てきた自分には、可能な筈だ。
手掛かりを隠すなら、"何もないだろう"という場所に隠すもの。
だから、恐らくまともには動かないであろう、機関室を選択し、ゆっくり立ち上がり手を差し出した。脳は、別に自分では歩かないものであるからだ。

「……それと、ありがとう。」

そして、感情を持つものでもあるのだから。

およ?俺君になんかしたっけ??

(感謝の言葉をかけられればまるで分からない、といった風に肩を竦めてみせ…そうしてニィと笑えば差し出された手をパシッと取った。
機関室は図書室の出入口からたった数十センチほどの目と鼻の先。マップを確認すれば再びミヤコの手を強引に引く)

──たぁああぁぁあのもぉぉおおぉおぉぉおぉぉぉおおお!!!!!ってーい!!!!!!!!☆wwwwwwwwww
さあ“私”君よ!!!!君は我々によって既に包囲されているカッコ嘘カッコ閉じィッッ!!!!!どっかの間に挟まれてアッチョンブリケされてるなら今すぐ出てきなさぁい!!!!!!!wwwwwwwwww

(飛ぶように走り出せばラ●ダーキックの如く勢い良く機関室のドアを蹴り開ける。驚いた周囲の他の人間達の視線がこちらへと集中するがケイジ君はそんなこと気にしない。だって生きるか死ぬかの脱出ゲームで、まるで名探偵が如く助手を引き連れて謎を解き明かすこの非日常的感覚が、楽しくて楽しくて仕方がないのだから。)

「…はあ。これでもう少し落ち着きと良識があれば、なぁ。」

頭を抱えながら、今日何度目かわからないため息をついた。
見直したと思ったらこうだから、全く油断出来ない。
だが、そうじゃなければ退屈してしまいそうなのもまた確かで、どこか振り回されていることに悪くない気持ちを持つ自分もいた。

「さて、取り敢えずは…案外、動いているようだ。普通、こういうライフラインは切った方が緊張感も出るような気はするが…どうなんだろうな。私達をどうしたいのかがイマイチ検討がつかん。
よほどこのゲームをやらせたいらしいが、それになんの旨味があるんだろうな…」

巨大な肥満体にも見える、てらてらと金属の光沢を塗りたくったボイラーと発電機は、別に普通に動いているらしく、それ以上でもそれ以下でもなかった。
こんな場所では、平生と変わらない装置は違和感しかなかった。言葉通り、切っておく方が個人的には楽な気がしている。
自分達が仮に脱出したとして、さらにこれを罷り間違って伝えでもしたら、船一台用意するくらいの準備があるのだ、流石に面倒だろう。だから、なるだけ死んでもらいたい、と自分なら思う。
だから、殺し合いも可能なルールを出したのだとも考えたし、焦らせる為に時間制限があるのだろう、というのが当座の納得だった。しかし、これを見て、それは瓦解した。古来から、食料は争いを生んだ。不安感を煽るには確かに食料をちらつかせる意味はわかる。水、嗜好品も。
けれど、それは補給が不可能で、なおかつさらに切迫させる必要がある。放っておけば、食料の心配より、命の心配。どう出るかが先に考えに来てしまうからだ。普通にライフラインが安泰なら、やはり脱出する方向に考えが向くのは自明の理。そうまでしてわざわざゲームをさせたいなんて狂気の沙汰だが、手がかりをしっかり設定する頭がある辺りに、まだ冷静な判断が残っている気がする。もしくは、表現の承認とか秘密の暴露の快感とかを求める、子供じみた頭をしているか、のどちらかか、どちらもか。

およー?“私”くぅ~ん??アッチョンブリケな“私”君は何処にいまちゅかぁ~??あ、もしかして俺達に居場所を解き明かされたくなくてビビってるゥ~??wwww無様に見つかっちゃう前に自首して来ても良いんだよ“私”くぅ~ん??wwww

(ため息をつくミヤコの事はお構いなしに機関室をきょろっきょろ見渡し何処に居るか分からない“私”に煽り文句を投げかける。その様子は傍からしたら馬鹿でしかないだろうが、本人は超楽しそうなので気にしないで良いと思う、うん)

案外意味なんて無いのかもしれないよー??もしかしたら意味もなくただ自分の作品をやらせたいだけの純粋なゲームクリエイター君だったりして??
まあその割にはミヤコの言う通り演出不足だけどねぇwwww
そもそも、もしクリエイター君が人殺しの為だけにこの舞台を作り出したのだとしたら…なぁーんだか非効率な気がしなぁい?正直素人の俺の方が上手くやる自身はあるよぉ??wwww
でもまぁ…仮に殺人のためだけに作り出したのだとしたら、もしかしたらターゲットは俺達の他にいるのかもしれない、なぁんてね☆

(ケイジはとりあえず見ていても正直つまらない健全に動く北の腐った肉まん野郎みたいなずんぐりむっくりな機会類を一瞥はしたが0.01秒で飽きた。壊れてたり改造できたら面白いんだけどね!!これでもフリーエンジニアだからね!!いやまず道具が無いわ。
そんな訳で、ミヤコの言葉にテキトーに考えた意味深っぽい事をポイポイと返していっていたが、話していてケイジはふと考え込む。
──俺達は“私”が何処に居るかを解き明かす為に船内を探していた、けれども、もし探索のターゲットである“私”が探索の範囲外、もしくは他の方法で見つかるとしたら…?
ケイジは腕輪を弄って最初の“私”の放送をもう一度再生して聞き直し…
…そして何か閃いたように、ニヤリと口角を上げた。)

──女ワトソン君?
もし君が言った通り『間』が『ま』ではなく『あいだ』であり『はざま』なのだとしたら…俺達は、既に“私”君がアッチョンブリケ☆されていた事実を見逃していたのかも知れないねぇ。

(そういってペロリ舌なめずりをしてみせれば、ケイジは腕輪にポチポチと答えを入力した。音からして二文字入れたのだろうか?)

これは俺のただの予測でしかない。けれど、もし俺の予測が当たっていたとしたら…女ワトソン君。この答えの記入欄は、“どんな文字であれ記号であれ入力できる”のだよ?
…ま、正直外れてたら俺は責任持てないし、教えちゃったらアウトらしいからねぇ。教えることも出来ないし、これで俺の閃いた天才的な考えが分からなければ、君は助手失格だけどねぇ??wwww

(ケイジはそうニヤニヤと意味ありげに笑ってミヤコの様子を伺う…)

「はぁ、意地の悪い。大体、君はさっきから、何度も放送を聞いてばかりいただけで何に…………」

なんにもしてないじゃないか、いい加減なことを言うな、と文句を付けようとした時、閃いた……
訳では無い。
図書室の時から何から、ケイジは適当にしていた、何回も何回も耳障りな放送を聞いている以外は。
それで、何故訳知り顔で居られる。そこを、考え出しただけだ。
歴史とは、反芻である。
事実をなぞり、自分に置き換え、文化を辿りながら、その時の人々の考えを予想していくのが本領。
ならば、調べ方もまた、それに心酔した女は、昔から変わらない。
わからない時は、プロセスから丸ごと辿るのだ。
腕輪から再生しながら、かつてゲッベルスの演説を覚えようとした時のように、響きだけでも拾おうとしたように。メモを取らなかったどころか、発言から、少し難しい漢字自体怪しいように見えたケイジになぞらえ、それを視覚化するため、音だけをひらがなで
メモ帳に片っ端から書き漁り、閃いた。なるほどこれは、実に簡単な話だった。

「音楽だけが世界語であり、翻訳される必要がない。バッハの言葉だ。素晴らしいだろう?音楽というには、この雑音は随分気味が悪いし、音も紛らわしいが、先人の知恵が答えを出してくれたよ。

君の閃き方は、正直完璧には理解できやしないが……
答えには辿り着いただろうさ。
私は天才を信じているからな。」

恐らくケイジと同じだろう二文字入力すると、メモを放り捨てる。
答えを明記は出来ないから、何のことはない。単なる走り書きに過ぎない見た目でしかないが、だとしても、誰かの足しになるように。

俺は昔からよく喋るからねぇ。こういった言葉遊びの類は得意なのさっ☆
それにしても、さっすが俺の助手君だ☆もしこれで分からなかったら俺直々にリストラさせる所だったよぉ~wwwwま、答えに辿り着けたことにクルクルパーマ野郎の迷言よりも感謝したまえよ?ww

…ま、本当は俺も少しだけ迷ったけどね。きっとミヤコも考えた筈だけど、この考え方だと“探せと言われたウォーリーがまるで二人居るように見える”んだ。けど、いつだって俺らが探せと言われ求められたのは問い掛けの“ウォーリー”ではなく、ゴチャゴチャとした絵の中に紛れた紅白ストライプの囚人だろう??
もしその点で『きゃあ~ん❤私わかんなぁ~い❤❤❤』とか思っていたなら君は合理的かつスマートなこの天才の考えに従いたまえよぉ?wwww

(メモを書き答えを入力したミヤコの姿にケイジは満足そうに頷く(←正直頷くというよりヘドバンに近かったが)
一応念のために不安要素である点の解説も付け加えておいたが、彼独特の言い回しはきっと彼と同じような思考で解いたミヤコや他の何処かの誰かにしか理解できないかもしれない)

──さぁーってと!!!!謎も解けた事だし、俺ちょーっとだけパーッと遊びに行ってこようかな☆
正直客船なんて初めてなんだよねぇwwww俺、一度だけでも良いからこういうのちょっと乗ってみたかったんだよぉwwww
ってなわけで女ワトソン君!!もしまた何か謎が出てきたら…そしてこの船を出るその時が来たらまた声をかけてくれたまえ??シャーロック・ホームズはいつだってお困りの君の隣に居てしんぜよう☆

(そんなことを言ってビシィッ☆と謎ポーズをカッコつければ、そのまま機関室をぱぱーっと出て行き奇声を上げながら何処かへと走り去っていく。台風みたいだ())

「きゃあ~ん私わかんな~い。

……なんて、言ってるようなやつと、君は最初から組んでないじゃないか。」

なんて、苦笑しながら肩をなで下ろし、大した天才じゃあないか、と感心したあとで。

「はいはい、こちらこそ、私を助ける君の隣にいよう。」

また、小さいため息をついた。


  • 最終更新:2018-02-28 15:47:50

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