碧ソロル
Chapter1
1日目
………はぁ?
ちょっと待って、待ちなさいよ、どういうことよそれ
殺すとか殺されるとか……
タチの悪い冗談にも程があるでしょう!?
えっ
スカステのドッキリでもこんなことしないわよ……
(動揺と混乱。碧麟ではなく、青龍結麒に戻ってしまっていることすら気づけず。そしてひとしきりぼやいたあとようやく気づき……)
……サイアクだ……
(頭を抱えた。)
2日目
二日目、か
星条先輩の引退公演間に合うかな………
ベルばらはもう諦めてもいいから星条先輩の引退公演だけは…………
(ちなみに中の人はチケットそうそうに諦めてスカステ視聴なのでもう辛い。チケットまだ販売開始すらしてないけどさ、専科の有名人先輩の引退とか5分どころか秒で売り切れる。学生には正午の販売開始スタンバイは不可能なんだ)
舞台、遠くなったな………
(とおく、なった。命すら危うい今、どうして、それでも舞台だけを考えているのか。自分でもわからないけれど、きっと、自分がそこで生きているから、なんだろう。そこでしか、生きられないからだ。日菜子には、いくつもの枝道がある、と伝えておきながら、他の道に目を向けろ、と言いながら。自分は、枝道を自ら潰していて)
二人目には、なりたくねぇなぁ
(操舵室で、壁に寄りかかり、目を閉じた。舞台に雨は降らないし、船の中にも雨は降らない。なのに、どうして。俺の足元には、水が、落ちているんだろう?)
3日目
………しゃーねぇ、誰か殺すか
(誰も殺さず、ランダムのひとりに自分や、知り合いが巻き込まれてはたまらない。だったら、だったら?身も知らぬ誰かを、殺せばいい。何、簡単なことだ)
の前に……
柳瀬は回収しとかねぇとな…
後にかばっといて、目を離したので殺されました、とか冗談にもなりゃしねぇ……
ばく、おん…………?
(誰か、死んだか。随分笑わせてくれる──!!くるくると手の中で物干し竿が回り、バタフライナイフが踊る)
風来坊、前田慶次──いざ──!
(いつか、演じたかった演目。いつか、いつかでいい。そう思って、いた。爆音に、人の死を、再び叩きつけられるまでは。人が死ぬ、こんなにも簡単に、あっけなく。ならば。自分だって、いつ死に、殺されてもおかしくない)
踊るなら、踊りたい時に、好きな音楽で
(トート。エリザベートの、主役の死神。その舞台に、上がりたくて、なのに、その前に、自身が彼の足元に行きそうで)
あーぁ………
くだらない
くだらないよ、こんな陳腐な演目
誰が千秋楽まで見たいと思うんだ
切り上げだよ、切り上げ
はやく、はやく──終わってくれ──
- 最終更新:2018-02-28 15:42:14